スヴァラ歯科Blog
フッ化物と有機フッ素化合物の違いとは?②
(2023年9月29日 5:43 PM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーと水素吸入で全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
参考文献は以下の通りです。
1: 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について 2: PFOS PFOA に関するQ&A集 3: 大阪市:有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)について 4: PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 大阪市:有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)について : PFOS PFOA に関するQ&A集
フッ化物と有機フッ素化合物の違いとは?
(2023年9月15日 10:18 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
みなさんは「フッ素」という言葉を聞いて、どんなものを思い浮かべますか?
歯科医院で行う虫歯予防のためのフッ素塗布や、歯磨き粉に含まれるフッ素などが思いつくでしょうか?
また、フライパンや自動車などに使われる「フッ素樹脂加工」や「テフロン加工」という言葉も聞いたことがあるかもしれません。これらはすべて「フッ素」を使ったものですが、実は同じ「フッ素」でも、その種類や性質は大きく異なります。
今回は、歯科医院で使用する「フッ化物」と、フライパンなどに使用する「有機フッ素化合物」という2つのグループに分けて、その違いについて解説していきます。
まず、「フッ化物」とは何でしょうか。フッ化物とは、水に溶けたときにマイナスイオンになる無機の物質のことです1。例えば、食塩を水に溶かすとマイナスの塩素イオンが現れますので、食塩を構成する塩素は塩化物です。また、水に溶けているフッ素イオンは「フッ化物イオン」と呼ぶのです2。したがって、ここでは、とくにフッ素元素のときには「フッ素」、それ以外のときは原則として「フッ化物」という用語を使用することにします。
歯科医院で使用している「フッ素」は、主にフッ化ナトリウム(NaF)やモノフルオロリン酸ナトリウム(Na2PO3F)などで、水に溶けた時にマイナスイオンになる『無機フッ素化合物』と呼ばれています3。これらの無機フッ素化合物は、歯の表面に塗布することで、虫歯菌が作り出す酸から歯を守ります。具体的には、以下のようなメカニズムで虫歯予防効果が発揮されます2。
・歯の表面にあるエナメル質(ハイドロキシアパタイト)が酸によって溶け出すことを防ぐ ・溶け出したエナメル質を再石灰化(再結晶化)させる ・エナメル質中のカルシウムやリンよりも強固な結合を持つ「フルオロアパタイト」を形成する ・虫歯菌の代謝活動や酸産生能力を抑制する。
このように、無機フッ素化合物は歯科医院で行うプロフェッショナルケアや自宅で行うセルフケア(歯磨き粉やマウスウォッシュなど)で広く利用されています。また、水道水にフッ化物を添加する「水道水フッ素添加」も、虫歯予防の効果的な手段として、世界の約30カ国で実施されています2。
一方、フライパンの焦げ付き防止や自動車のコーティングなどに使用する「フッ素」は、フッ素と炭素の結合を含む『有機フッ素化合物』と呼ばれる別のものです3。有機フッ素化合物は天然にはほとんど存在しない物質で、主に人間によって作り出される化合物です。この「有機フッ素化合物」という名称は、単独の物質を指す言葉ではなく、有機物質中にフッ素原子が含まれている広範な化合物の総称になります。種類数は定かではありませんが、理論上は膨大な数の種類を作り出すことができます。
そして、その中でニュースなどでも多く取り上げられるようになったのが「PFAS」と呼ばれる有機フッ素化合物の一群です。PFASは、水や油をはじき、熱に強く、薬品にも強い、そして光を吸収しないといった独特の性質を持っており、20世紀半ば以降、世界中で多くの製品に用いられてきました4。しかし、この化合物は人体や環境に対しても蓄積性があるため、暴露した場合には体内に溜め込まれることになります。そのため、若いころにPFASに暴露した人は、長期にわたってこの物質の有害性と一緒に生きていくことになるのです4。
PFASの有害性は人間だけではなく、動物(食用・野生)の世界にも及びます。泡消火剤などの使用によって、土壌が汚染され、それが地下水や河川、海も連鎖的に汚染するため、貝類やカニ類、淡水魚はもちろんのこと、食用の豚や鶏、極端な例では北極に生息するホッキョクグマの体内からもPFASが検出されています4。
以上が、「フッ化物」と「有機フッ素化合物」の違いとその特徴です。
次回は、「PFAS」の中でも特に問題視されている「PFOS」と「PFOA」という2つの物質について詳しく解説していきます。お楽しみに!
そもそも歯を磨く理由って何?その3~虫歯と歯周病の関係~
(2023年9月1日 3:19 PM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
歯を磨かなければならない理由についてのシリーズ、今回で最終回となります。
今回は、虫歯と歯周病の関係についてお話ししたいと思います。
皆さんは、虫歯と歯周病は別々の病気だと思っていませんか?
実は、虫歯と歯周病は密接に関係しています。
どちらも口の中にいる細菌が原因で起こる病気であり、どちらも放っておくと重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
では、具体的にどんな関係があるのでしょうか?
- 虫歯が進行すると、歯の神経が露出したり、感染したりすることがあります。
- その場合、根管治療(根の消毒)や抜歯などの処置が必要になります。
- しかし、根管治療や抜歯は、歯を支える骨や組織にダメージを与えることがあります。
- その結果、歯周病の進行を促進することがあります。
- 歯周病が進行すると、歯ぐきや歯を支える骨が破壊されて、歯がグラグラになったり抜けたりすることがあります。その場合、インプラントやブリッジ、義歯(入れ歯)などの人工物で補うようになります。しかし、インプラントやブリッジは、自分の歯よりも細菌に感染しやすいのです。また、入れ歯は複雑な構造や樹脂の性質から細菌が付着しやすく汚れも落としにくいものなのです。その結果、虫歯の発生や再発を引き起こすことリスクが高くなってしまいます。
以上のように、虫歯と歯周病は相互に影響し合うことがあります。そのため、どちらも早期発見・早期治療が大切です。当院では最新の設備と技術でお口の中をしっかりチェックし悪い細菌の数を減らす努力を続けています。
このシリーズでは、歯を磨かなければならない理由についてお話ししました。
皆さんは、自分のお口の健康に自信がありますか?
もし何か気になることや不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
そもそも歯を磨く理由って何?その2ー歯周病の原因と予防方法について
(2023年8月16日 8:43 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
前回は、虫歯の原因と予防法についてお話しました。
今回はもう一つの口腔内の大敵、むしろ全身の健康を損なうという意味では虫歯の比ではないくらい危険度の高い歯周病(歯槽膿漏)についてお話ししたいと思います。
歯周病とは、口の中にいる細菌が歯ぐきや歯の根元に付着した歯垢や歯石を分解して毒素を作り出し、その毒素が歯ぐきや歯を支える骨を破壊することで起こる病気です。歯周病は放っておくと、歯ぐきが赤く腫れたり、出血したり、口臭がしたり、最悪の場合は歯がグラグラになったり抜けたりする恐れがあります。そのためここまで歯周病が進行したものは一般的には歯槽膿漏と呼ばれることもあります。
また、歯周病は口腔内だけでなく、全身の健康にも影響を与えることがあります。例えば、歯周病菌が血液に入って心臓や脳に感染したり、糖尿病や高血圧などの慢性疾患のリスクを高めたりすることがあります。
では、歯周病を予防するにはどうすれば良いでしょうか?
歯周病の予防法は、基本的には以下の3つです。
- ①正しいブラッシングをする。
- 毎食後や就寝前には必ず歯磨きをしましょう。また、フロスや歯間ブラシなどを使って、歯と歯の間や歯ぐきの隙間に残った食べカスを取り除きましょう。
- ②歯垢や歯石を定期的に歯科医院で除去する。
- 自分では取り切れない歯垢や歯石は、細菌の温床になります。当院では歯科衛生士が最新の設備と技術で歯周病治療を行っていきます。また、予防歯科の一環としてセルフケアグッズの処方も行っています。
- ③健康的な生活習慣を心がける。喫煙やストレスは、免疫力を低下させて細菌に感染しやすくします。また、バランスの良い食事や十分な睡眠も大切です。
以上が、歯周病の原因と予防法についてのお話でした。
次回は、虫歯と歯周病の関係についてお話しします。お楽しみに!
そもそも歯を磨く理由って何?その1ー虫歯の原因と予防方法について
(2023年8月1日 9:58 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、痛みに配慮、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
皆さん、そもそも歯を磨く理由をご存じですか?
「虫歯になるから」「歯周病(歯槽膿漏)になるから」と答える方がほとんどだと思います。
その答え、もちろん正解です。
そのうえで私たち歯科医療従事者(つまりこの業界のプロ)としてもう少し皆さんに詳しく知ってほしいので、歯を磨かなければならない理由について何回かにわたってお話ししたいと思います。
今回は歯を磨く理由・虫歯予防についてお話いたします。
このブログをお読みの皆さんは毎日きちんと歯磨きをしていることと思います。
歯磨きはが大切なのは以下の理由です。
①口の中を清潔に保つ
②虫歯や歯周病などの病気を予防する
しかし、歯磨きを怠ったりやり方が間違っていたりすると口の中には細菌(を含む微生物)が増殖し歯や歯ぐきに悪影響を及ぼします。
細菌が増えると虫歯になるメカニズムを皆さんはご存じですか?
虫歯とは、口の中にいる細菌が食べ物の糖分を分解して酸を作り出し、その酸が歯を溶かすことで起こる細菌感染症です。
虫歯は放っておくと
歯が黒くなったり、痛みや腫れが出たり、最悪の場合は歯が抜けたりする可能性が高まります。
見た目が悪くなったり、痛みや腫れでやりたいことが制限されたり、歯が抜けて食事が美味しく感じられない、といった可能性が高まってしまうのです。
やはり虫歯って嫌ですよね。
そんな虫歯を予防するために以下の事を心がけて頂けると相当違いが出てくると思います。
①正しいブラッシングをしましょう。毎食後や就寝前には必ず歯磨きをしてほしいです。また、フロスや歯間ブラシなどを使って、歯と歯の間や歯ぐきの隙間に残ったプラークや食べカスを取り除くとさらに効果的です。
②甘いものや酸っぱいものを控えましょう。甘いものや酸っぱいものは細菌、特に虫歯菌の餌になります。特に就寝前に食べることで唾液の分泌が無くなる就寝中・夜中に細菌が活発に働きます。食べた後は必ず水で口をすすぎましょう。
③フッ素入りの歯磨き粉やうがい薬を使いましょう。フッ素は酸に強い歯質を作る効果があります。市販の歯磨き粉やうがい薬にはフッ素が含まれていますが量や種類によって効果は異なります。当院では歯科医院専売品を含めて皆さんのお口の状態に合わせて最適なフッ素製剤をご提案します。
④虫歯菌自体の割合を減らしましょう。マウスウォッシュや乳酸菌を使ってお口の中の虫歯菌そのものの割合を減らすことも効果的だと思います。
以上が歯を磨く理由・虫歯の原因と予防編でした。
次回は歯を磨く理由の歯周病編についてお話しします。
お楽しみに!