スヴァラ歯科Blog
| 2024 | 12月
症状があるときだけ歯科に通うのをおススメできない理由
(2024年12月16日 11:20 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
今回は、私たち歯科医師が痛いときや腫れた時など症状があるときだけ来院するのはおススメできない理由について書きます。
私たちの健康を守るために大切なことって何だと思います?
色々あると思いますが床用な理由の一つは、病気を未然に防ぐことです。
口腔の健康も例外ではなく、「痛いとき」や「症状がある時」だけ歯科医院に通うのは、実は非常にリスクの高いことなのです。
痛みが出てから治療を受けるのではなく、問題が発生する前に予防的に行動することが、健康維持には不可欠です。
口腔内のケアを怠ることが、心身の健康に大きな影響を及ぼすことがあることはあまり知られていませんが、歯科医療の観点から非常に重要なポイントです。
この記事では、なぜ「痛みがある時」や「症状が現れた時」だけ歯科医院に通うのが歯科医療的におススメできないのか、また、定期的に通うことの重要性を、さまざまな角度から詳しく解説します。
特に、歯の健康が全身の健康に与える影響、長期的に健康寿命を延ばすために必要なケア、さらには痛みが出る前に行う予防的なアプローチの重要性について説明します。
- 口腔内の問題は痛みが出る前から進行している
歯科医療において、最も大切なことの一つは「早期発見」です。多くの歯科の問題は、最初のうちは痛みを伴わず、症状もほとんど現れません。そのため、患者さんが気づかないうちに虫歯や歯周病は進行してしまうことが多いのです。歯の問題が進行して痛みが現れたときには、治療が非常に手間がかかり、費用も高くなる可能性があるだけでなく、場合によっては歯を失うことにも繋がりかねません。
1.1. 虫歯の進行
虫歯は、最初の段階ではほとんど症状がありません。歯の表面に小さな穴が開く程度では痛みを感じることはなく、ほとんどの場合、自分で気づくことができません。しかし、虫歯が進行すると、歯の内部にある神経に到達し、強い痛みを引き起こすことがあります。痛みが出てから歯科医院に行く場合、虫歯はかなり進行していることが多く、治療には多くの時間と費用がかかる可能性があります。
予防歯科の観点からは、定期的に歯科医院でチェックを受けることで、虫歯の早期段階を発見し、すぐに治療を開始することが可能になります。早期に虫歯を見つけることができれば、削る量を最小限に抑えることができ、神経を取る必要もなく、詰め物やフッ素で簡単に治療が済むことが多いのです。痛みが出る前に定期的なチェックとクリーニングを行うことが最も効率的です。
1.2. 歯周病の進行
歯周病も初期段階では症状がほとんどありません。歯茎の軽い腫れや出血があることがありますが、ほとんどの人はこれを軽視してしまいがちです。しかし、歯周病が進行すると、歯茎が退縮して歯がぐらつき、最終的には歯を失うことになります。歯周病は、虫歯と同様に初期段階で治療することで、治療が簡単で効果的ですが、進行してからの治療は非常に困難で、重篤な場合には歯の抜歯が必要になります。
歯周病を早期に発見するためには、定期的な歯科医院でのチェックとクリーニングが不可欠です。歯科医院では、歯茎の状態を詳細にチェックし、歯周ポケットの深さを測定することができます。このような検査を定期的に受けることで、歯周病が進行する前に適切な処置を施すことができます。
- 痛みがあるときだけでは手遅れになることがある
痛みが現れてから歯科医院に行くときには、すでに問題がかなり進行している場合が多いです。虫歯や歯周病の進行が進みすぎて、歯を失うリスクが高まっていることも少なくありません。また、痛みを感じてから治療を受けると、その後の回復期間が長引いたり、予想以上に多くの治療が必要になったりすることがあります。
2.1. 神経を取る必要がある場合
虫歯が進行して神経まで到達すると、歯科医師は根管治療(いわゆる「神経を取る治療」)を行う必要があります。これは非常に時間がかかり、回復にも長期間を要します。また、根管治療を受けると、歯がもろくなり、最終的に歯が割れることがあるため、最終的に歯を抜くことになる場合もあります。これに対して、初期段階で治療を行えば、簡単な詰め物で済み、歯を保存することができます。
2.2. 歯周病の悪化
歯周病が進行して歯茎が退縮し、歯がぐらつくようになると、歯を支える骨が失われていることが多いです。この段階では、歯を保存するために外科的な手術が必要になることがあります。また、進行した歯周病は、歯を抜く必要が出てくることもあります。このように、痛みが出てから治療を受けると、結果的に歯を失うリスクが高くなり、治療も大掛かりになります。
- 予防歯科の重要性
歯科医療の最も重要な柱は予防です。痛みがない時に定期的に歯科医院でチェックを受けることで、虫歯や歯周病などの問題を未然に防ぐことができます。定期的な検診は、歯科医師により早期に異常を発見してもらうための重要な手段です。これにより、問題が進行する前に適切な治療が行われ、最小限の処置で済ませることができます。
3.1. 定期的なチェックで早期発見
定期的な歯科検診では、歯の状態を詳細に確認し、虫歯や歯周病の兆候を見逃さずに早期に発見することができます。歯科医師は、歯の隅々まで確認し、歯周ポケットの深さや歯の摩耗、歯のひび割れなどもチェックします。これらの問題を早期に発見すれば、予防的な治療で治すことができ、痛みや大掛かりな治療を避けることができます。
3.2. 定期的な予防処置
歯科医院で行う定期的な予防処置は、歯周病の進行の予防に非常に効果的です。歯石は自宅での歯磨きでは取り除けませんが、歯石がたまると歯周病がどんどん酷くなる原因になります。定期的に歯科医院で歯石を除去することで、歯周病の進行リスクを大きく低減させることができます。
- 口腔の健康と全身の健康
口腔内の健康は、実は全身の健康にも大きな影響を与えます。近年の研究により、口腔内の問題が心臓病や糖尿病、脳卒中、さらには認知症に関連していることがわかっています。歯科医院での定期的なチェックと予防が、全身の健康維持にも大きな役割を果たしているのです。
4.1. 歯周病と心血管疾患
歯周病菌は血流に乗って全身に広がり、炎症を引き起こすことがあります。この炎症が心臓や血管に影響を与え、動脈硬化を進行させることが知られています。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。定期的に歯科医院で歯周病のチェックを受けることが、心血管疾患の予防にも繋がるのです。
4.2. 歯周病と糖尿病
歯周病は糖尿病の管理を難しくすることがあります。歯周病の炎症が血糖値を上昇させることがあり、糖尿病患者にとっては非常に危険です。逆に、糖尿病患者は歯周病にかかりやすい傾向があるため、定期的な歯科検診が糖尿病の管理にも重要です。
- 健康寿命と予防歯科
健康寿命とは、病気や障害にかかることなく、日常生活を自立して送ること
ができる期間です。口腔内の健康が良好であれば、食事が楽しめ、会話もスムーズに行えるため、精神的にも身体的にも良い影響を与えることができます。反対に、歯が悪いと食事が不便になり、栄養の摂取にも影響が出るため、全身の健康に悪影響を及ぼします。
健康寿命を延ばすためには、口腔の健康を守ることが重要であり、定期的に歯科医院でチェックを受け、予防的なケアを行うことが欠かせません。
結論
歯科医院に「痛みがあるとき」や「症状が現れたとき」に通うだけでは、口腔内の健康を守ることはできません。早期に問題を発見し、予防的な治療を行うことが、健康を長期間維持するためには必要です。また、歯の健康は全身の健康に大きな影響を与えるため、定期的な歯科医院での通院が全身の健康寿命を延ばすために不可欠です。痛みや症状が出る前に、ぜひ定期的に歯科医院を訪れ、健康な口腔内を保つよう心がけてみませんか?