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口呼吸が招く危険性!悪玉菌と口腔内の健康の関係性

(2024年10月29日 2:53 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

今回は口呼吸について書いていきます。

 

 

口呼吸とは?

口呼吸とは、鼻ではなく口で呼吸することを指します。

多くの人は、鼻詰まりなどの特別な状況下でのみ口で呼吸すると考えていますが、実は、日常的に無意識に口を開けて呼吸している人が少なくありません。

 

 

なぜ口呼吸に気づきにくいのか?その理由を深掘りしてみましょう

口呼吸は、自分ではなかなか気づきにくいものです。その理由としては、以下の点が挙げられます。

 

①無意識に行っている行為であるため: 呼吸は、私たちが意識しなくても自然に行われる生理現象です。特に睡眠中は、無意識に口が開いてしまいがちです。

②徐々に習慣化する: 小さな頃から口呼吸の癖がついている場合や、アレルギー性鼻炎など、鼻呼吸が困難な状況が長期間続くと、口呼吸が習慣化してしまうことがあります。

③周囲の環境や状況による影響: 乾燥した環境や、ストレスを感じている時など、一時的に口呼吸になりやすい状況も存在します。

④自覚症状が軽微であることが多い: 口が開いていることによる不快感や痛みなどを自覚しない場合も多く、そのため口呼吸に気づかないまま生活している人が多いです。

 

 

 

日常的に口呼吸になっている人の特徴

口呼吸になっている人は、以下のような特徴が見られることがあります。

 

口が常に開いている: 気が付くと口が開いている状態が続いている。

  • 口呼吸をしていることを指摘される: 周りの人から「口を開けている」と指摘される。
  • 口が渇きやすい: 口腔内の乾燥が進み、喉が渇きやすい。
  • いびきをかく: 睡眠中にいびきをかきやすい。
  • 口臭が気になる: 口腔内の細菌が繁殖しやすく、口臭の原因となる。
  • 歯並びが悪い: 口呼吸は、舌の位置や顔の発育に影響を与え、歯並びが悪くなる可能性があります。
  • 集中力が続かない: 睡眠の質が低下し、集中力が続かないことがあります。
  • 朝起きたときに口の中が粘つく: 口腔内の乾燥により、唾液が少なくなり、口の中がネバネバしている。
  • 風邪をひきやすい: 口呼吸は、鼻のフィルター機能が働かないため、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。
  • アレルギー症状が出やすい: アレルギー物質が直接気道に入ってしまうため、アレルギー症状が悪化する可能性があります。

 

 

 

なぜ口呼吸が習慣化しやすいのか?

 

子供の頃の癖: 小さい頃から口呼吸の癖がついている場合、大人になってもなかなか治らないことがあります。

鼻の構造的な問題: 鼻中隔湾曲症など、鼻の構造的な問題によって、鼻呼吸が困難な場合。

アレルギー性鼻炎: 花粉症やアレルギー性鼻炎など、鼻が詰まりやすい状態が続く場合。

アデノイドや扁桃肥大: 子供の場合、アデノイドや扁桃が大きくなり、鼻の通りが悪くなることがあります。口呼吸が楽だと感じる: 口呼吸の方が鼻呼吸よりも楽だと感じてしまう場合。

 

 

 

口呼吸に気づきにくい理由をまとめると

  • 自覚症状が乏しい
  • 日常生活に支障がないことが多い
  • 徐々に習慣化するため、自分では気づきにくい
  • 周囲の人から指摘されるまで気づかないことが多い

 

 

 

口呼吸が習慣化すると、どのような問題が起こるのか?

口呼吸は、一見すると些細な習慣のように思われますが、実は様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

 

口腔内の問題

  • 歯周病・虫歯の悪化: 口腔内の乾燥により、唾液の分泌が減少し、細菌が繁殖しやすくなります。これにより、歯周病や虫歯が悪化する可能性が高まります。
  • 口臭: 口腔内の細菌が作り出すガスによって、口臭が発生します。
  • 舌の変色: 舌の表面に白いコケのようなものが付着し、舌が変色することがあります。
  • 口腔乾燥症: 口腔内の乾燥が常態化し、飲み込みにくさや違和感を感じることがあります。

 

全身の健康への影響

  • 睡眠の質低下: 口呼吸は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となり、睡眠の質を低下させます。
  • 集中力の低下: 睡眠不足や酸素不足により、集中力が低下し、日中のパフォーマンスが低下する可能性があります。
  • 成長への影響: 子供の場合、口呼吸が続くと、顎の発育が阻害され、顔の形が変化したり、歯並びが悪くなる可能性があります。
  • アレルギー疾患の悪化: 口呼吸は、アレルギー疾患を悪化させる可能性があります。
  • 心血管疾患のリスク増加: 睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、心不全、脳卒中などのリスクを高めることが知られています。
  • 免疫力の低下: 口呼吸は、鼻のフィルター機能が働かないため、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、免疫力が低下する可能性があります。

 

 

なぜ口呼吸がこれほどまでに体に悪影響を与えるのか?

直接的な刺激: 口腔内は、鼻腔に比べてデリケートな組織でできています。乾燥した空気を直接口腔内に取り込むことで、粘膜を傷つけ、炎症を引き起こす可能性があります。

 

防御機能の低下: 鼻は、外界からの異物から体を守るための重要なバリアの役割を果たしています。口呼吸では、このバリア機能が低下し、体内に有害物質が侵入しやすくなります。

 

自律神経の乱れ: 口呼吸は、自律神経のバランスを崩し、ストレスや不安を感じやすくなる可能性があります。

 

 

 

 

口呼吸改善のためにできること

  • 原因となる疾患の治療: アレルギー性鼻炎など、鼻呼吸ができない原因となる疾患がある場合は、適切な治療を受けることが大切です。
  • 口腔周囲の筋肉トレーニング: 口を閉じたり、舌を正しい位置に置くためのトレーニングを行うことで、口呼吸の習慣を改善することができます。
  • 医療機関での相談: 口呼吸の原因や改善方法について、歯科医師・医師に相談しましょう。
  • 口腔ケア: 正しい歯磨き方法を習得し、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが大切です。

 

まとめ

口呼吸は、単なる癖ではなく、様々な健康問題を引き起こす可能性のある深刻な問題です。

口呼吸に心当たりのある方は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

 


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歯磨き粉の成分 ~ラウリル硫酸ナトリウム~

(2024年10月12日 6:00 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

今回は市販の多くの歯磨き粉に含まれる成分のひとつ、ラウリル硫酸ナトリウムについて書きます。

 

 

はじめに

皆さんは、普段使っている歯磨き粉の成分について、どれくらい知っていますか?

特に、よく耳にする「ラウリル硫酸ナトリウム」という成分。

この成分は、歯磨き粉の泡立ちをよくする界面活性剤として広く使われていますが、一方で「体に悪い」という噂も耳にすることがあります。

今回は、このラウリル硫酸ナトリウムについて、歯科医師の視点から詳しく解説していきます。

 

 

ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)とは?

ラウリル硫酸ナトリウム(SLSとも呼ばれます)は、石油を原料とした合成界面活性剤の一種です。

水と油を混ぜ合わせる働きがあり、歯磨き粉の泡立ちをよくしたり、汚れを落とす効果を高めるために使用されている合成界面活性剤です。しかし、一方で、その安全性については様々な議論がされています。

 

 

 

 

SLSの安全性に関する懸念点

 

  • 口腔粘膜への刺激: SLSは、口腔粘膜を刺激し、口内炎や味覚障害を引き起こす可能性が指摘されています。特に、敏感肌の人や、口腔内に傷がある場合は、症状が悪化する可能性があります。
  • アレルギー反応: 一部の人の場合、SLSに対してアレルギー反応を起こすことがあります。皮膚のかゆみ、赤み、腫れなどの症状が現れることがあります。
  • 皮膚への影響: 長期的にSLSに接触することで、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や敏感肌を引き起こす可能性が指摘されています。
  • 環境への影響: SLSは生分解性が低く、環境中に残留し、水生生物に悪影響を与える可能性があります。
  • 眼への影響: 目に入った場合、強い刺激となり、角膜損傷などの原因となる可能性があります。

 

 

 

SLSの毒性に関する研究

SLSの毒性に関する研究は数多く行われていますが、その結果は様々です。

動物実験では、高濃度のSLSを摂取させると、内臓への悪影響や発がん性が見られるという報告もありますが、ヒトへの影響については、明確な結論が出ていません。

 

 

 

 

SLSを含む製品の使用に関する注意点

 

  • 口腔内の状態に合わせた選択: 口腔内に傷がある場合や、敏感肌の人は、SLSを含まない製品を選ぶ方が良いでしょう。
  • 使用量に注意: 必要以上の量を使用すると、口腔粘膜への刺激が強まる可能性があります。
  • すすぎをしっかりと: 使用後は、口の中をしっかりとすすぐようにしましょう。
  • 眼に入らないように注意: 目に入った場合は、すぐに流水で洗い流し、医師に相談しましょう。
  • 乳幼児への使用: 乳幼児の皮膚は大人に比べて薄く、敏感であるため、SLSを含む製品の使用は避けるべきです。

 

※上記の説明を読んで心理的に気になる方はSLSを含む製品不使用の方が良いのでは、と個人的には思います。

 

 

 

SLSフリー製品を選ぶメリットとデメリット

 

  • メリット: 口腔粘膜への刺激が少なく、アレルギーのリスクも低い。
  • デメリット: SLSを含んだ製品に比べて、泡立ちが少なく、洗浄力が弱い場合がある。価格がやや高くなる場合もある。

 

 

まとめ

SLSは、その強力な洗浄力から多くの製品に使用されていますが、安全性についてはまだ完全には解明されていません。特に、敏感肌の人や口腔内に傷がある人は、SLSを含む製品の使用には注意が必要です。

 

歯科医院として、患者さまには以下のことをお伝えしています。

  • 歯磨き粉を選ぶ際は、成分表示をよく確認し、自分の口腔内の状態に合った製品を選ぶこと。
  • SLSだけでなく、他の成分についても注意深く選ぶこと。
  • 歯磨き粉選びに迷った場合は、歯科医師に相談すること。
  • 定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の健康状態を把握し、適切なケアを受けることが重要です。

 

 

その他

  • SLS以外の界面活性剤: SLSの代わりに使用される界面活性剤には、ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルアラニンNaなどがあります。これらの成分は、比較的肌への刺激が少ないとされています。
  • 天然由来の界面活性剤: 植物由来の界面活性剤は、環境への負荷が少なく、肌への刺激も少ないとされています。
  • オーラルケア製品の選び方: 歯磨き粉だけでなく、マウスウォッシュや歯磨き粉も、成分表示をよく確認して選びましょう。

練馬区石神井公園のスヴァラ歯科では、患者さま一人ひとりに合った口腔ケアのご提案をいたします。

お気軽にご相談ください。

 

 

 

より専門的な情報を知りたい方へ

 

  • 日本医薬品添加剤協会: ラウリル硫酸ナトリウムに関する詳細な情報が掲載されています。
  • 厚生労働省: 化学物質に関する情報が掲載されています。

 

これらの情報も参考にして、より深くSLSについて理解を深めてください。

 

 

免責事項

本記事の内容は、あくまでも一般的な情報であり、個々の症状や状態に対する医学的なアドバイスではありません。

 


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レッドコンプレックスの害

(2024年9月13日 8:56 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回は、歯周病を引き起こす主な原因菌のグループである「レッドコンプレックス」について、その概要を説明しました。

今回は、レッドコンプレックスがどのように形成され、歯周病でどのような深刻な口腔疾患を引き起こすのか、さらには全身への悪影響についてより深く掘り下げていきます。

 

 

 

レッドコンプレックスの形成と進化

 

私たちの口腔内には、数百種類、もしかしたらそれ以上の種類の細菌が共存しています。これらの細菌は、歯の表面にバイオフィルムと呼ばれる膜を作り、コミュニティを形成します。このバイオフィルムの中で、特に強力な病原性を示すのが、レッドコンプレックスと呼ばれる3種類の細菌です。

 

  • ポルフィロモナス・ジンジバリス (P. gingivalis):歯周ポケットの深い部分に生息し、歯周組織を破壊する酵素を分泌します。レッドコンプレックスの中でも悪さのレベルではボス格の細菌と考えて良いでしょう。
  • トレポネーマ・デンティコーラ (T. denticola):らせん状の細長い形状で、歯周ポケットの奥深くまで侵入し、他の細菌と協力して組織を破壊します。
  • タネレラ・フォーサイシア (T. forsythia):P. gingivalisと協力して、歯周組織を破壊し、炎症を悪化させます。

これらの細菌は、単独で存在するよりも、互いに協力し合い、より強力な病原性を発揮します。

例えば、P. gingivalisは、他の細菌の生育を促進する物質を分泌し、レッドコンプレックスの形成を促します。

 

 

 

レッドコンプレックスが引き起こす歯周病

 

レッドコンプレックスは、以下のメカニズムによって歯周病を引き起こします。

 

  • バイオフィルムの形成: レッドコンプレックスは、歯の表面にバイオフィルムを形成し、その中で増殖します。このバイオフィルムは、歯ブラシなどで簡単に除去できないため、歯周病を悪化させます。
  • 毒素の産生: レッドコンプレックスは、歯周組織を破壊する酵素や、炎症反応を引き起こす毒素を産生します。これらの毒素は、歯周組織を溶かし、歯を支えている骨を吸収します。
  • 免疫系の抑制: レッドコンプレックスは、私たちの免疫系を抑制し、体の防御機能を低下させます。そのため、体はレッドコンプレックスの攻撃に対して十分に対抗することができず、歯周病が進行してしまいます。
  • 骨の吸収: レッドコンプレックスが産生する毒素によって、歯を支えている骨が吸収され、歯がぐらつくようになります。

 

 

 

 

レッドコンプレックスが全身に及ぼす影響の詳細

 

レッドコンプレックスは、口腔内の問題にとどまらず、全身に広範囲な影響を及ぼすことが明らかになっています。そのメカニズムは、まだ解明されていない部分も多いですが、これまでの研究から以下のことがわかっています。

 

  • 1. 心血管系への影響
  • 動脈硬化の加速: レッドコンプレックスが産生するリポ多糖(LPS)などの毒素は、血管内皮細胞を損傷させ、動脈硬化を加速させます。この過程は、アテローム性動脈硬化と呼ばれる動脈硬化の主要なタイプに深く関わっています。
  • 血栓形成のリスク増大: レッドコンプレックスは、血液凝固系を活性化し、血栓形成のリスクを高めます。血栓が血管を詰まらせると、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があります。
  • 感染性心内膜炎: レッドコンプレックスが血液中に侵入し、心臓の内膜に感染すると、感染性心内膜炎を引き起こします。この疾患は、心臓弁膜症や心不全を引き起こす可能性があります。

 

 

  • 2. 代謝系への影響
  • 糖尿病の発症・悪化: レッドコンプレックスは、インスリン抵抗性を高め、血糖値を上昇させることで、糖尿病の発症や悪化に関与します。また、歯周病は、糖尿病患者の血糖コントロールを困難にすることが知られています。
  • 肥満との関連性: 歯周病と肥満の間には、複雑な相互関係があります。歯周病が肥満を促進する可能性がある一方で、肥満が歯周病を悪化させる可能性も指摘されています。
  • 脂質代謝異常: レッドコンプレックスは、脂質代謝を乱し、高脂血症を引き起こす可能性があります。高脂血症は、動脈硬化のリスクを高める要因の一つです。

 

 

 

  • 3. 神経系への影響
  • アルツハイマー病: レッドコンプレックスが産生する毒素が、血液脳関門を通過し、脳内に侵入することで、神経細胞を損傷させ、アルツハイマー病の発症に関与する可能性が指摘されています。
  • うつ病: 一部の研究では、歯周病とうつ病の間に関連性があることが示唆されています。慢性的な炎症が脳の機能に影響を与え、うつ症状を引き起こす可能性があります。

 

 

 

  • 4. 免疫系への影響
  • 慢性炎症: レッドコンプレックスは、慢性的な炎症反応を引き起こし、免疫系のバランスを崩します。この慢性炎症は、様々な疾患の発症に関与すると考えられています。
  • 自己免疫疾患: レッドコンプレックスが、関節リウマチや炎症性腸疾患などの自己免疫疾患の発症に関与している可能性も指摘されています。

 

 

次回以降レッドコンプレックスの毒素について、も書く予定です。


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マウスウオッシュとレッドコンプレックス

(2024年8月7日 12:04 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回はマウスウオッシュの薬効成分にについて書きました。

今回はマウスウオッシュとレッドコンプレックスへの効果について書きます。

 

 

マウスウォッシュとレッドコンプレックス~最新の研究成果から迫るメカニズムと効果~

近年、歯周病研究においてレッドコンプレックスに対する更なる知見が得られ、そのメカニズムとCPCの効果が注目されています。

レッドコンプレックスは、歯周病悪化の主要因とされる3種類の細菌の集合体であり、従来の抗菌薬では効果が得にくいという課題がありました。

しかし、CPC(塩化セチルピリジニウム)は、レッドコンプレックスに対する高い抗菌作用と、歯周組織の炎症抑制効果を持ち、歯周病治療における新たな希望となっています。

1. バイオフィルムへの浸透:レッドコンプレックスの隠れ家を攻略

レッドコンプレックスは、バイオフィルムと呼ばれる膜状の集合体の中に潜んでいます。バイオフィルムは、細菌が作り出す防御壁であり、通常の抗菌薬が浸透しにくいため、治療が困難でした。しかし、CPCはバイオフィルム内部にまで浸透し、レッドコンプレックスを直接攻撃することができます。これは、従来の抗菌薬とは一線を画す、CPCの大きな強みです。

2. 菌の細胞膜破壊:レッドコンプレックスの弱点を突く

CPCは、レッドコンプレックスを含む細菌の細胞膜を直接破壊することで、菌の死滅を促します。細胞膜は、細菌の生存に不可欠な構造であり、その破壊は細菌にとって致命的な打撃となります。CPCは、この細胞膜を効率的に破壊することで、レッドコンプレックスを確実に撃退することができます。

3. 炎症抑制効果:歯周組織の回復を促進

レッドコンプレックスは、歯周組織に炎症を引き起こす主要な原因の一つと考えられています。炎症は歯周組織の破壊を招き、歯周病の悪化に繋がります。CPCは、炎症を引き起こす物質の産生を抑制し、炎症細胞の活性化を抑制することで、歯周組織の炎症を抑制する効果を持ちます。これにより、歯周組織の回復を促進し、歯周病の改善に貢献します。

4. 臨床研究における成果:CPCの効果を裏付けるエビデンス

近年、CPC配合のマウスウォッシュを使用した臨床研究において、レッドコンプレックスによる歯周病の悪化を防ぎ、症状を改善する効果が示されています。これらの研究結果は、CPCがレッドコンプレックスに対する有効な治療法であることを裏付けています。

5. マウスウォッシュ選びのポイント:自分に合ったCPC製品を選ぶ

CPC配合のマウスウォッシュは、レッドコンプレックスを含む歯周病菌に対して高い抗菌作用を発揮することが研究で示されています。しかし、全てのCPC製品が同じ効果を持つわけではありません。自分に合ったCPC製品を選ぶためには、以下のポイントを参考にしましょう。

  • CPCの濃度: CPCの濃度が高いほど、抗菌効果が高くなります。
  • ただし、高濃度の製品は刺激が強い場合があるため、注意が必要です。
  • その他の成分: CPC以外にも、IPMP、CHX、エッセンシャルオイルなど、様々な薬効成分が配合されたマウスウォッシュがあります。それぞれの成分の特徴を理解し、自分の口腔内の状態に合ったものを選びましょう。
  • 効果: 口臭予防、歯周病予防、虫歯予防など、様々な効果を持つマウスウォッシュがあります。自分の求める効果に合ったものを選ぶようにしましょう。
  • 使用感: 味や香り、刺激感なども考慮して、自分に合った使用感のマウスウォッシュを選びましょう。

6. マウスウォッシュの効果的な使い方:最大限の効果を得るために

マウスウォッシュを効果的に使用するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 歯磨き後の使用: 歯磨きで歯垢や食べかすを取り除いた後に、マウスウォッシュを使用しましょう。
  • 適量の使用: マウスウォッシュは、適量を口に含んで20~30秒ほどすすぎ、吐き出すようにしましょう。
  • すすぎ方の注意点: マウスウォッシュをすすぎすぎると、口の中の有効成分が洗い流されてしまうので、軽くすすぐ程度にとどめましょう。
  • 使用頻度: マウスウォッシュの使用頻度は、1日1~2回程度が目安です。ただし、口腔内の状態によっては、歯科医師の指示に従って使用頻度を調整する必要があります。

 

 

まとめ

CPC配合のマウスウォッシュは、レッドコンプレックスに対する高い抗菌作用と、歯周組織の炎症抑制効果を持ち、歯周病治療における新たな選択肢として注目されています。自分に合ったCPC製品を選び、正しい方法で使用することで、歯周病の予防と改善に役立てることができます。

次回は今回簡単に説明したレッドコンプレックスについて詳しく書きます。


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マウスウオッシュの成分

(2024年7月22日 12:34 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

前回はマウスウオッシュの大まかな選び方について書きました。

今回は薬効成分について書きます。

 

 

はじめに

近年、歯周病や口臭予防への関心が高まっており、ドラッグストアやコンビニエンスストアでも様々な種類のマウスウォッシュが販売されています。しかし、自分に合ったマウスウォッシュを選ぶためには、薬効成分や効果、そしてドラッグストアで購入できるものと歯科医院専売のものとの違いを理解することが重要です。

特により効果的な歯周病予防や改善を目指す場合は、歯科医院専売のマウスウォッシュを検討することをおすすめします。

 

 

マウスウオッシュの種類と選び方

洗口液には、様々な種類の薬効成分が含まれています。代表的な成分は以下の4つです。

 

  • CPC(塩化セチルピリジニウム): 浮遊性細菌に対して効果があり、口臭予防にも役立ちます。ドラッグストアで購入できるマウスウォッシュに多く含まれていますが、持続的な効果を得るためには、歯科医院専売のマウスウォッシュの方が効果的です。
  • CHX(クロルヘキシジン): CPCよりも強力な殺菌作用を持ち、歯周病治療にも使用されます。歯科医院専売のマウスウォッシュに多く含まれており、歯周病菌の中でも悪影響を及ぼす「レッドコンプレックス」と呼ばれる細菌の集合体に対しても効果を発揮します。
  • ただし、染色性、味覚障害、菌叢の乱れ、長期使用による耐性のリスクがあるため、歯科医の指示のもとでの短期的な使用が推奨されます
  • IPMP(イソプロピルメチルフェノール): バイオフィルムに対する殺菌効果に優れています。ドラッグストアで購入できるマウスウォッシュに多く含まれていますが、歯科医院専売のマウスウォッシュの方が、より効果的にバイオフィルムを除去することができます。
  • エッセンシャルオイル: 天然の香り成分で、リラックス効果や気分リフレッシュ効果、抗菌作用などがありますが、排水溝詰まり、刺激、アレルギーなどのリスクがあるため、注意が必要です。ドラッグストアで購入できるマウスウォッシュに多く含まれています。

 

 

 

  • より効果的な歯周病ケアを目指す場合は、「IPMP配合の歯磨き剤」と「歯科医院専売のマウスウォッシュ(CPC配合)」を組み合わせて使用することをおすすめします。

 

 

マウスウォッシュの効果的な使用方法

  • 歯垢を最初に取り除き、その後マウスウォッシュを使用します。
  • マウスウォッシュ後は飲食を控えることで、マウスウォッシュの効果を長持ちさせることができます。
  • 出血などがある場合は使用をやめることが推奨されています。
  • マウスウォッシュ後のすすぎは避けることが推奨されています。

歯科医院専売のマウスウォッシュを選ぶメリット

  • より強力な殺菌作用により、歯周病菌を効果的に除去することができます。
  • レッドコンプレックスと呼ばれる悪影響を及ぼす細菌の集合体に対しても効果を発揮します。
  • 歯科医の指導のもとで使用することで、より安全かつ効果的に使用することができます。
  • 歯周病の進行状況に合わせた最適なマウスウォッシュを選ぶことができます。

 

 

まとめ

マウスウォッシュは、歯磨きと併用することで、より効果的な口腔ケアを実現することができます。

自分に合ったマウスウォッシュを選ぶためには、薬効成分や効果、そしてドラッグストアで購入できるものと歯科医院専売のものとの違いを理解することが重要です。

 

 


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